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アフェレシス

更新日  2013年06月04日

 アフェレシス(apheresis)とは、血液中から病気の原因となっている血漿成分(抗体、有害代謝物質、中毒物質など)や細胞(リンパ球、顆粒球など)やウイルスを除去し、病態の改善を図る治療法です。原因物質を直接除去できるため効果が高く、また副作用もほとんどないために、血液疾患、消化器疾患・皮膚疾患をはじめとする多くの疾患に適用されています。
 血液を体外循環させ、その中の有害物質を除去することにより病気を治療するアフェレシス療法は、関節リュウマチをはじめとする各種の自己免疫疾患や家族性高LDL-C血症などの最も強力な治療法であり、優れた吸着カラムの開発は、これらの難病の治療に大きな貢献をすることが期待されています。本プロジェクトでは(株)REIメディカルのアフェレシス事業を引き継ぎ、京都大学理学部の中西和樹准教授の発明した独創技術“モノリス担体”技術を用いたアフェレシス療法用LDL-C吸着カラムLipoREIの技術導出を行っています。

適用範囲

 癌や自己免疫疾患などの非感染症の治療薬については、従来人間の代謝系に干渉してコントロールする医薬品が多く用いられてきました。しかしながら、従来型の医薬品のパイプラインの枯渇は世界の医薬品産業の共通の危機認識であり、それを克服するために最新のバイオテクノロジーを用いた抗体医薬や遺伝子治療などの開発が盛んに行われています。
 アフェレシス療法は、従来の医薬を人体に投与すると方式とまったく違う治療機序を持つ治療法であり、その潜在的可能性が注目され、“21世紀の医療機器産業ビジョン”でも2010年代の有望医療技術と位置付けられています。

治療方法

 血漿分離型のアフェレシスでは、腕などの静脈から血液をゆっくり取り出し、血漿(血液の液状成分)分離器で、赤血球や白血球などの血球成分と血漿とに分けます。分離された血漿を膜や吸着体を含むカラムに通過させ、原因物質を除去します。カラム通過後の血漿は、血球成分と合流させ体内に戻します。
 治療直後に低減した血中濃度は、ゆっくりと再び上昇します。病状にもよりますが、2週間に1回程度は、1回3時間から半日程度の治療が必要となります。継続的治療により、免疫能や細胞機能が回復し、結果として血中値の改善や症状の軽減などの効果が得られます。

作用機序

 原因物質の除去には、選択的に吸着する吸着剤や膜が使われます。原因物質の性質に合わせて、物理化学的、または生物学的相互作用を応用した、さまざまなタイプの吸着方法が存在します。現在では、吸着機能をもつ官能基(リガンド)の種類だけでなく、リガンドを支える担体についても、分子ふるい効果や吸着量に関する研究がすすんでおり、適用疾患の種類も拡大してきています。
 本技術開発では、京都大学理学部の中西和樹准教授の発明した独創技術「モノリス担体」の技術をベースとした高性能な吸着デバイスLipoREITMの開発に成功しました。LDLを吸着するアフェレシスカラムとして欧州での必須要求事項(CEマーク)に適合した実績を持ちます。また、ISO10993に基づいた生体適合性試験にて安全性を確認しています。